3月18日から甲子園球場で開催される春のセンバツ「選抜高等学校野球大会」。
1月24日「21世紀枠」に長崎県立壱岐高校と神奈川の横浜清陵高校が選出、どちらも初出場です。
2001年に設けられた「21世紀枠」で神奈川の高校が選ばれるのは初めてのこと。
豪雪地帯や離島という地域的なハンデはなく、有数の進学校でも部員不足でもない「都会の公立校」ですが、強豪私立がひしめく神奈川の「公立高校が勝ち抜くことが厳しい環境」での奮闘が選出材料となったようです。
神奈川県の県立高校が甲子園に出場するのは、1949年の湘南高校以来、実に71年ぶりの快挙です。
野原監督は高校時代に甲子園で優勝した経験があり、横浜国立大学でプレーした実績の持ち主。
その指導方法も気になります。
この記事では、以下のことについての情報をお届けします。
•横浜清陵高校野球部はなぜ強いのか?監督のプロフィール
•横浜清陵高校野球チームの特徴
•横浜清陵高校の特色や練習環境について
横浜清陵高校野球部はなぜ強いのか?
強さの理由は監督の指導と、チームの「団結力」にあります。
強豪ひしめく神奈川県の大会で、昨年秋ベスト8に進出した横浜清陵高校。
「神奈川を制する者は全国を制す」と言われるほどレベルが高い神奈川の高校野球。
そのキビしい条件の中で「公立の星」として快進撃を続けた理由を3点解説します。
横浜清陵高校野球部 野原監督は元甲子園V球児
横浜清陵高校野球部が強い理由は、「あの東海大相模で甲子園優勝」という監督のプロフィールです。
横浜清陵高校野球部監督 野原慎太郎さん(42歳)。
野原監督の出身高校は、同じ神奈川の名門・東海大相模高校です。
3年生の春、背番号10の控え投手としてセンバツ優勝し日本一を経験!
残念ながら、最後の夏は県大会のメンバーから外れてしまいましたが、その悔しさをバネに猛勉強。
第一志望の横浜国立大学に合格したのです。
大学時代は、神奈川大学リーグに所属する横浜国立大学の硬式野球部でプレーしました。
横浜清陵高校野球部 野原監督の指導
横浜清陵高校野球部が強い理由は、野原監督の指導方法です。
•選手たちが主体的に練習メニューやチームの目標、運営方針を決定する「選手主体の自治運営」を重視して取り組ませる。
•公立高校であることを言い訳にしない姿勢を選手たちにしっかりと植え付ける。この考え方が、チームの競争力向上に貢献。
•家庭科教諭の野原監督。野球指導だけでなく、選手たちの人間的成長にも注力し、全人的な発達が促進される。
中学時代に野球で飛びぬけた実績を残した選手はいないものの、選手の自主性を育む指導で“普通の公立校”を甲子園出場へ導きました。
#横浜清陵 がセンバツ高校野球の #21世紀枠 に選ばれ、注目されている同校の「部活動の自治」の取り組み。野原慎太郎監督は「生徒と同じくらい教員も変わった」と言います。… https://t.co/SRrQpsWib5
— 東京すくすく(東京新聞) (@tokyosukusuku) January 24, 2025
確かな理論に基づく指導は、選手たちの心の支えになっていることでしょう。
団結力と粘り強い戦い
横浜清陵高校野球部が強い理由は、団結力と粘り強い戦いです。
センバツ甲子園出場を決めましたが、中学時代にシニアリーグ、ボーイズリーグで「全国区」の有名選手が在籍しているわけではありません。
しかし、野原監督の就任以来、入部してくる生徒たちの意識にも少しずつ変化が生じました。
1学年上の代を中心にのぞんだ2024年春季県大会では準々決勝に進出。
過去3年間の神奈川大会で秋、春、夏それぞれ1回ベスト8入りを果たすなど、次第に力をつけてきたのです。
チームのモットーは「全員攻撃・全員守備」。
スターティングメンバーはもちろん、ベンチ入りやスタンドで応援する全部員の団結力と、チームの一体感、粘り強い戦いで全国の舞台に挑みます。
横浜清陵高校野球部の注目選手は?
横浜清陵高校野球部の注目選手は、1年生(春から新2年生)のサウスポー・西田豪投手。
中学時代はシニアリーグの横浜金沢リトルシニアでプレーしてました。
昨年秋の神奈川大会では、三浦学苑戦で1失点完投勝利。チームを8強に導く原動力となりました。
準々決勝では名門・東海大相模と対戦。
西田投手は5回2/3を4安打、自責点3と強力打線を相手に奮闘。
0対5で敗れたものの、今回の21世紀枠選出につながる好投を演じました。
粘り強いピッチングが持ち味の西田投手を軸に戦う横浜青陵高校ですが、甲子園常連校と比較すると、個々の戦力はどうしても見劣りしてしまいます。
序盤での大量失点は避けて、中盤までロースコアの接戦に持ち込めば「公立の星」のジャイアントキリングへの期待が高まります。
横浜清陵高校野球部の練習環境や進学
横浜清陵高校野球部の練習環境は、公立高校としてはかなり恵まれて、グラウンドが2面確保されており、練習試合を同時に2試合行うことも可能です。
内野照明、4か所備えたブルペン、トレーニングスペース、トレーニングルームの充実した設備。
25名の野球部員は夢の舞台に備えて練習に取り組んでいます。
横浜青陵高校は、圧倒的な進学実績を誇る有名公立進学校ではありませんが「進学に重点を置いた単位制普通科高校」。
地元の横浜国立大学、MARCHの明治大学、法政大学などに合格者を出しています。
大学進学実績のある公立高校の野球部としては、練習環境は恵まれていると言えるでしょう。
全国から有望選手が集まるわけではありませんが、この設備を最大限に活用した練習で、甲子園で勝ち抜く実力を培ってほしいですね。
まとめ
横浜清陵高校野球部は、2025年の第97回選抜高校野球大会に21世紀枠として出場が決まりました。
横浜清陵高校野球部が強い理由は、東海大相模高校で選手として甲子園優勝の経験を持つ野原監督の指導とチームの団結力・粘り強い戦いです。
注目選手は、春から新2年生のサウスポー・西田豪投手です。
昨年秋の神奈川大会で好投、8強進出の原動力となり、今回の21世紀枠選出へとつながりました。
横浜清陵高校野球部の練習環境は、広い敷地内に2面のグラウンドがありとても恵まれています。
家庭科教諭となった野原監督の多様な経験が、従来の野球指導にとらわれない柔軟なアプローチをもたらしています。
チームのモットー「全員攻撃・全員守備」で、いよいよ甲子園の舞台へ挑みます。
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