3月18日から甲子園球場で開催される春のセンバツ「選抜高等学校野球大会」。
1月24日、埼玉の浦実(うらじつ)こと浦和実業学園高等学校の春夏通じて初めてとなる甲子園出場が決定しました。
辻川正彦監督は同校野球部を37年指導。
強豪ひしめく埼玉県からの頂点。その指導方法が気になります。
チームの大黒柱である2年生(春から新3年生)のサウスポー・石戸颯太投手にも注目です。
この記事では、以下の情報についてお届けします。
•今年の浦和実業野球部がなぜ強いのか?について3点
•浦和実業野球部の注目選手
•浦和実業野球部の練習環境について
浦和実業野球部はなぜ強いのか?
全国優勝の経験がある私学を中心に、強豪ひしめく埼玉県。
昨年秋の県大会で強豪・浦和学院を倒し、埼玉の頂点に立ったのは浦和実業でした。
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引用元:浦和実業野球部 硬式野球部ブログ
ここでは、今年の浦和実業野球部が強い理由を3つご紹介します。
苦節37年!監督の執念と時代に合わせた指導
浦和実業高校野球部の強さの理由は、何といっても同校の辻川正彦監督(59歳)です。
この4月で還暦を迎える辻川監督は、37年にわたり浦和実業野球部監督として指導に携わってきました。
しかし転機が訪れたのは昨年夏の埼玉県予選。
4回戦で強豪・春日部共栄にコールド負けしました。
この試合をきっかけに「昔の野球ではダメだ」と辻川監督は決断!
•髪型の自由化
•練習時間の短縮
•ベンチ入りメンバーを選手間投票で決める
など、選手の自主性を重視する方針を取り入れました。
このことで、選手たちの自発的な成長が促されたといいます。
小野蓮主将(3年)も「自分たちで物事が言えるようになった」と語っています。
指導方針の転換は、昨年秋の大会で早くも結実しました。
それまで県内で大きく立ちはだかってきた、全国制覇経験のある名門・浦和学院との対戦。
過去の対戦成績は浦実3勝、浦学50勝。苦杯をなめ続けていましたが、昨年秋、埼玉大会準々決勝でついに浦学を撃破。
「接戦になっても俺たちはやれるんだいう自信を深めている」と辻川監督が語るほど、選手たちはたくましく成長したようです。
辻川監督の指導方法
浦和実業高校野球部の強さの理由は、辻川監督の指導方法にあります。
選手の自主性を尊重する精神面に加えて、プレーに関する実践的なアドバイスも見逃せません。
例えば「勝利に近づく走塁強化」。
走塁には「浦和実ルール」が細かく設定していることが挙げられてます。
•一塁と三塁のリードは10歩。
1歩目は左足を前、2歩目で右足を前に出して両足を平行、3歩目は……と設定されている。
•一塁駆け抜けの時はライン上を駆け抜ける。など。
また、全員野球の徹底があげられます。
全員でアウトを取る、全員でバントを決める、一球への執念を見せチーム全体で一つ一つのプレーに取り組む姿勢を重視しています。
積み重ねた歴史 創部50年の節目
浦和実業高校野球部の強さの理由として、長年にわたり積み重ねてきた野球部の歴史が挙げられます。
1975年(昭和50年)に創部した硬式野球部は、今年でちょうど50年目。
これまで、小原沢重頼投手(元読売ジャイアンツ)、豆田大志投手(現埼玉西武ライオンズ)など、プロ野球界へと進んだ教え子もいます。
「これまで4回ほど甲子園に行けるかなと思ったことがある」。
辻川監督が振り返るように、過去何度か甲子園出場のチャンスがありながら、あと一歩及ばなかった浦和実業。
お父さんが浦実野球部OBである現メンバーの2年生・伊藤龍英内野手が
「(父から)野球部の歴史をよく聞かされていました」と語っているように、悔し涙を流してきた多くの野球部OBたちの思いも快進撃の原動力になったようです。
浦和実業高校の注目選手は?
注目選手は、2年生(春から新3年生)のサウスポー・石戸颯太投手、176cm、64kg。
中学時代には、軟式野球で埼玉県選抜チーム「埼玉西武ライオンズジュニアユース」に選出。
昨年秋の埼玉大会では、ポイントとなった準々決勝の浦和学院戦で2安打完封勝利しました。
サウスポー・石戸颯太投手
•チェンジアップを駆使し、浦学の強力打線に7回ツーアウトまで一人の走者も出さなかった。
•独特なフォームと80キロ台のカーブで打者を惑わせ、昨秋の公式戦8試合で防御率0.72という驚異的な成績を残した。
•ストレートの球速は130km程度だが、球もちがよく、投げる際にボールの出どころが見にくい独特な投球フォームで相手打線を翻弄する技巧派。
春のセンバツでの投球、大学、社会人、そしてプロ野球と、今後の成長が期待されるサウスポーです。
浦和実業高校の練習環境は?
浦和実業高校野球部の練習環境ですが、特別に恵まれた環境とは言えないかもしれません。
系列校である浦和大学の敷地内に専用球場を持っていますが、学校から自転車で約40分の場所にあります。
また、高いフェンスがないためフリーバッティングができません。
このグランドでは、アップやキャッチボール、ノック、守備練習を中心に行われているようです。
野球部の寮は存在せず、部員の多くがさいたま市内、および近郊の川口市、草加市出身。
数少ない県外からの部員も毎日電車で通学しています。
まとめ
浦和実業高校は2025年春の選抜高校野球大会に、硬式野球部 創部50年の節目の吉報。
辻川監督は1988年から37年間、野球部の指導をおこない、甲子園への初切符を手にしました。
昨夏、選手の自主性を重視する指導方針に転換し、昨年秋の大会で早くも結実。
足を高く上げる変則投法のサウスポー・石戸颯太投手の活躍が期待されます。
浦和学院など甲子園出場経験のある強豪校を破り激戦区埼玉の頂点に立ち、関東大会でもあの横浜高校と1点差の好ゲームを展開した浦和実業高校。
4月で還暦を迎える辻川監督に、勝利を贈りたいですね。
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