阿寒摩周国立公園の範囲や見どころは?摩周湖の霧伝説にも迫る!

道東エリア

阿寒摩周国立公園は、東北海道の中央部に位置し、北海道の中でも歴史ある国立公園の1つです。

阿寒摩周国立公園の範囲は、平成29年(2017年)「阿寒国立公園」からの名称変更に伴い、摩周湖・神の子池周辺まで広がったため、1市10町9万1000ヘクタールとなりました。

阿寒摩周国立公園には、摩周湖、屈斜路湖、阿寒湖や硫黄山など北海道を代表する美しい見どころがたくさんあります。

阿寒摩周国立公園にある摩周湖は、一年のうち100日以上も霧につつまれていることから「霧の摩周湖」といわれており、その霧にまつわる「摩周湖の霧」伝説があります。

それほどまでに、摩周湖=霧というイメージが強かったのでしょう。

この記事では、阿寒摩周国立公園の範囲や見どころ、摩周湖の霧伝説、ビジターセンターへのアクセスなどを詳しく解説します。

阿寒摩周国立公園には、北海道の観光スポットがたっぷりありますね。

阿寒摩周国立公園の範囲は?

昭和9年(1934年)「阿寒国立公園」として制定されましたが、平成29年(2017年)「阿寒摩周国立公園」への名称変更にともない、11の市町、湖面も含めると約10万ha、東京ドーム2万個以上の広大な面積がある国立公園となりました。

11の市町→釧路市、美幌町、網走郡大空町、津別町、斜里郡清里町、小清水町、足寄郡足寄町、上川郡標茶町、弟子屈町、標津郡中標津町、白糠郡白糠町

雌阿寒岳や硫黄山などの4つの活火山や、阿寒湖、屈斜路湖、摩周湖の大きなカルデラ湖や大小の小沼、また、阿寒摩周国立公園の誕生に伴い、人気の神の子池が国立公園区域に指定されました。

阿寒摩周国立公園は、9割以上が手つかずの自然が残されている、自然景観豊かな国立公園ですので、自然環境を守るために、「ゾーニング」を行っています。

雌阿寒岳・雄阿寒岳、阿寒湖マリモ生息地、摩周湖など→「特別保護地区」(特別地域内で特に厳重に景観の維持を図る必要がある地域)

温泉街周辺、外輪山の裾野など→「特別地域」(環境大臣が、景観・環境維持を指定した区域)

阿寒摩周国立公園の見どころ

阿寒摩周国立公園には北海道を代表する見どころがたくさん含まれています。
ここでは摩周湖、屈斜路湖、阿寒湖・硫黄山をご紹介いたします。

摩周湖の見どころ

摩周湖の見どころは、世界でも有数の透明度を誇り、神秘的な雰囲気を醸し出しているところです。

1931年(昭和6年)に計測された41.6mの透明度は、100年近くが経過した現在でも「湖沼透明度」の世界記録となっている大変貴重な湖です。

摩周湖には水の入口も出口もなく、生活排水の影響を受けることがありません。

摩周湖にはニジマス、ヒメマス、エゾサンショウウオなどが生息し、周辺の森にはエゾリス、シマエナガなど可愛らしい動物も暮らしています。

夏場を中心に、真っ白な霧につつまれることが多く、「霧の摩周湖」と言われています。また、真冬は「摩周ブルー」と呼ばれる美しい色の湖面に出会う確率が高くなります。

屈斜路湖の見どころ

屈斜路湖の見どころは、地形変化に富んだ圧倒的な絶景と名湯があるところです。

屈斜路湖は、火山活動によって形成された国内最大規模を誇るカルデラ湖。

周囲を外輪山で形成されており、屈斜路湖へ行くには峠道を通ることになります。いくつかのルートがありますが、一番人気があるのが国道243号線を通る美幌峠のルートです。

日本百名道にも選ばれており、このルートは通る際の景観は「まるで屈斜路湖へ飛び込んで行くようだ」と大変人気です。

また屈斜路湖は、北海道有数の温泉地としても有名で、中でも屈斜路湖の東湖畔にある「砂湯」は人気のスポットです。

屈斜路湖のほとりの砂浜を掘ると温泉が出てきますので、スコップと水着があれば、美しい屈斜路湖を眺めながら入ることが可能であり、自分専用の露天風呂ができあがります。

阿寒湖の見どころ

阿寒湖の見どころは、阿寒湖上に4つの島が点在し、周りを雌阿寒岳・雄阿寒岳に囲まれ、南岸湖畔には阿寒湖温泉がわき出る自然豊かなところです。

また特別天然記念物に指定されている「阿寒湖のマリモ」を是非ご覧になってみてください。

淡水生の緑藻の一種で丸い球体が特徴です。直径15㎝以上のマリモが群生しているのは、世界でも阿寒湖を含めて2か所だけです。

阿寒湖のマリモは、遊覧船に乗って行くチュウルイ島の「マリモ展示観察センター」と温泉街にある「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」で見ることができます。

雌阿寒岳・雄阿寒岳は初心者でも登ることが出来るコースもあり、見晴らしの良い森・湖・林などを通ることができるので大変人気の山です。

硫黄山の見どころ

硫黄山(標高512m)の見どころは、硫黄の香りが立ち込め、山肌にある1000以上の噴気孔から高温の煙が噴き出しており、その噴気孔に日本で最も近づけるところです。

噴気孔から高温の煙が出ているのを目の前で見ることができるので、訪れた観光客はそのダイナミックさに驚かされます。

硫黄山は観光地として大変有名です。川湯温泉は湯治場としても人気が高く、昭和の名横綱・大鵬が少年期を過ごした場所でもあります。

川湯温泉街には『大砲相撲記念館』があり、昭和の高度成長期に「巨人、大鵬、玉子焼き」と称されたほど国民的な人気を誇った名横綱・大鵬の偉業をたたえています。

阿寒摩周国立公園内の摩周湖の霧伝説とは

阿寒摩周国立公園内の人気スポット摩周湖。近年「霧が晴れた摩周湖を見ると、若い女性は婚期を逃す」が摩周湖の霧伝説といわれていますが、それはいわば都市伝説の一種。

よりその神秘的な雰囲気にふさわしい、霧にまつわる悲しい伝説が残されています。

その昔、この地方で争いごとがおこり、戦いにまきこまれた一人のおばあさんが孫を連れて命からがら逃げてきました。

その途中、孫と離れてしまい、おばあさんは一人で摩周湖に辿り着いたのです。

やがて暗くなり、おばあさんは摩周湖の神さまに「ひと晩休ませてください…」と願うのですが、はぐれた孫のことを心配しながら、おばあさんは息を引きとってしまいました。

哀れに思った神さまにより、おばあさんは摩周湖に浮かぶ小さな島となり、いまでも摩周湖を訪れる人があると、はぐれてしまった孫を思い出して泣いてしまうのです。

その涙が、摩周湖にかかる霧になるといわれています。

霧の発生が多いと言われる6月から7月には「霧の摩周湖」が見られるかもしれませんね。

阿寒摩周国立公園へのアクセスは!情報満載の阿寒湖畔エコミュージアムセンターへ!

阿寒摩周国立公園はあまりにも広大ですので、各地域のビジターセンターからの情報入手が有効です。ここでは比較的新しい「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」の情報をお伝えします。

阿寒湖畔エコミュージアムセンターの館内は、開放感あふれる空間で木のぬくもりにつつまれながら、天然記念物指定のマリモを見ることができます。

具体的なアクセス方法は以下のとおりです。

公共交通機関を利用する場合

阿寒湖畔エコミュージアムセンターの最寄り駅は、釧路駅になります。

•JR釧路駅(30番阿寒バス)乗車→阿寒湖温泉各ホテル(所要時間:120分、往復4400円)下車→徒歩約3~15分→阿寒湖畔エコミュージアムセンター

車を利用する場合

•釧路市内→国道240号線経由→阿寒湖畔エコミュージアムセンター(所要時間:約72㎞。約90分)。
徒歩約5分、阿寒湖畔第一駐車場(有料)

〒085-0467 北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉1丁目1-1

まとめ

阿寒摩周国立公園の範囲は、平成29年(2017年)「阿寒国立公園」からの名称変更に伴い、1市10町湖面も含めると10万haと広大な広さになりました。

阿寒摩周国立公園は、「湖沼透明度」世界記録が100年近くの摩周湖や日本一噴気孔に近づける山といわれている硫黄山や阿寒湖、屈斜路湖、など北海道を代表する見どころがたくさんあります。

阿寒摩周国立公園にある摩周湖は、夏場を中心に、真っ白な霧につつまれることが多く、「霧の摩周湖」と言われており、いわゆる都市伝説のような伝説と、霧にまつわる悲しい伝説が残されています。

四季折々に美しい表情を見せてくれる、阿寒摩周国立公園の雄大な自然の大切な宝物を、私達は後世にしっかりと残していく責任があります。

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