3月18日に開幕する第97回選抜高校野球大会“春のセンバツ”。
1月24日に「21世紀枠」が発表され横浜青陵高校(神奈川)と壱岐高校(長崎)の2校が選出されました。
このうち、玄界灘に浮かぶ離島・壱岐島の長崎県立壱岐高校は、長崎県の離島として春・夏通じて初の甲子園出場となります。
昨年秋、創部48年目にして初めて出場した九州大会で、ベスト8進出の快挙を成し遂げました。
「離島の高校」公立壱岐高校野球部は、なぜ強いのでしょうか?
この記事では、以下のことについてご紹介していきます。
•壱岐高校野球部はなぜ強いのか?
•壱岐高校野球部メンバー全員離島出身
•壱岐高校野球部の練習環境
•寄付金が1千万越えと離島である壱岐島の情報
壱岐高校野球部はなぜ強いのか?
壱岐高校野球部はなぜ強いのでしょうか?
壱岐島では、数年前から「この世代ならひょっとして甲子園に行けるのでは?」と関係者の間でささやかれていました。
シニアリーグやボーイズリーグなど中学硬式野球チームが存在しないこの島で、なぜ突然甲子園出場をねらえる強い野球部となったのでしょうか?
その理由を2つご紹介します。
この度、本校野球部が創部48年目にして、初の選抜高校野球大会出場権を獲得しました!
— 壱岐高校(公式X) (@iki_h_sns_X) January 24, 2025
ここまで、多くの方々からご支援いただき心より感謝申し上げます。
今後ともご声援よろしくお願いします‼︎#壱岐高校 #壱岐 pic.twitter.com/Zi2pcY5lXd
壱岐島が期待する「黄金世代」
壱岐高校野球部が強い理由は、現在の主力である2年生(春から新3年生)が壱岐島の「黄金世代」だからです。
現在エースで3番打者のキャプテン・浦上脩吾選手は、壱岐島の郷ノ浦中学出身。
浦上選手を中心とする郷ノ浦中学は、2年前に長崎県の軟式野球大会で優勝すると、九州でもチャンピオンに!
しかし、長崎県の中学大会では同じ壱岐島の勝本中学が優勝して全国大会に出場しました。
つまり、壱岐島の2つの中学で県王者の優勝を分け合ったのです。
まさに、壱岐島史上最高の可能性を秘めた「黄金世代」が、現在壱岐高校野球部の中心メンバーと言えるでしょう。
壱岐島は野球部員が多い
もともと壱岐島の男子中学生は、部活動に野球を選択する割合が高いことも理由に挙げられます。
長崎県全体では、男子中学生が入っている部活で一番多いのはバスケットボールで軟式野球は4番目。
ですが、壱岐島にある4つの中学では野球部の割合がNO.1なんです。
小学校の時から対戦したり、一緒に野球をやってお互い切磋琢磨してきた仲間と、高校に進学してからも野球を心から楽しんでいるのではないでしょうか。
島の野球文化が、今回の壱岐高校のセンバツ出場を支えていたことは間違いないでしょう。
メンバーは全員離島出身!
長崎県立壱岐高校の野球部員21名、マネージャー4名全員が離島である壱岐島の出身です。
「黄金世代」と称された現在の2年生(春から新3年生)。
前述した通り中学の大会で全国レベルの結果を残したことで、九州本土の強豪校から誘われる選手もいました。
しかし、現在壱岐高校野球部のメンバーがグラブに『壱岐から甲子園』と刺繍しているように、地元・壱岐への思いがとても強いようです。
島から甲子園出場を目指して、郷ノ浦中学と勝本中学、他2校からの「黄金世代」が壱岐高校に集結したのです。
選手たちの合言葉『壱岐から甲子園』が、ついに実現することとなりました。
本校野球部の第97回選抜高校野球大会9地区推薦21世紀枠候補校について、壱岐市長篠原様に表彰報告を行いました!
— 壱岐高校(公式X) (@iki_h_sns_X) December 19, 2024
引き続き、本校野球部へのご声援をよろしくお願いします!#壱岐高校 #壱岐 pic.twitter.com/3L2lZyhM9U
壱岐高校野球部の練習環境は?
壱岐高校野球部の練習環境は、野球部専用の球場はなく、練習場所は高校のグラウンドです。
国公立大学や有名私立大学などを目指す生徒がいる壱岐高校の授業は50分×7時間。
壱岐高校野球部の練習は、平日の放課後2時間と休日のみです。
限られた部活動の時間内で効率よく工夫して練習に取り組んでいます。
グラウンドは陸上部やサッカー部との兼用であり、水はけも良いとはいえないグラウンドです。
更に本塁から左翼フェンスまでの距離はわずか60メートル。
公式戦で使用する球場は最低でも90メートルは確保されているので、はるかに狭いグラウンドと言えます。
練習環境に恵まれているとは言えませんが、選手たちはノックで鍛えられて、浦上投手を中心に守り勝つチームとして成長を続けてきました。
壱岐高校野球部へ寄付金が1千万円超え
21世紀枠で初出場する県立壱岐高野球部。
その旅費や活動費をふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングを通じて集め、5日までに目標額の1千万円を超えたと話題です。
21世紀枠での初出場を決めてから、わずか2週間弱での目標達成に注目度の高さがうかがえますね。
野球部を含む壱岐市の子どもの活動に活用するため、寄付は引き続き3月16日まで募集しているようです。
壱岐島の情報も!
九州の玄界灘に浮かぶ離島・壱岐島は、人口25,000人ほどの小さな島。
透き通るようなエメラルドグリーンの美しい海、観光地としてイルカパーク&リゾートなどが人気となっています。
また、あの「魏志倭人伝」に「一岐国(いきこく)」として登場。古事記には「伊岐島」と記された歴史を誇ります。
鎌倉時代の「元寇」では2度蒙古軍の襲来を受け、戦場と化した壱岐島には、現在も多くの元寇に関連する史跡が残されています。
島内には150以上も由緒ある神社があり、島全体がパワースポットと言われているほどです。
長崎県の壱岐島ですが、実際に島へと渡るには福岡県の博多、佐賀の唐津からフェリーで行くのがおすすめです。
まとめ
1月24日に発表された“春のセンバツ”の「21世紀枠」に離島の高校 壱岐高校(長崎)が選ばれました。
普通の県立高校である壱岐高校野球部が強い理由は、壱岐島の2つの中学で県王者の優勝を分け合った選手たちが壱岐高校に集結。
「黄金世代」として期待されているチームです。
『壱岐から甲子園』を合言葉に、決して恵まれた環境ではない中で夢を実現させた壱岐高ナイン。
島全体がパワースポットといわれている壱岐島で、この春、島の皆さんは甲子園に声援を送ることでしょう。
昨年夏に甲子園で大旋風を巻き起こした大社高校も出雲大社のパワーと言われましたが、果たして壱岐高校はどうなるでしょうか?
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