メジャーリーグにも年金制度(MLB年金)があることをご存知でしょうか?
第一線で活躍できる期間は短く、競技引退と同時に収入がなくなるという現実に直面します。
そこで、一般の社会人と同じようにメジャーリーグにも引退後に受け取れる「生涯年金」制度が存在します。
事実上の戦力外となった、前田健太投手はメジャー年金を満額もらえるのでしょうか?
また、日本人でメジャー年金を満額もらえる人はいるのでしょうか?
この記事では、以下のことについて詳しく解説していきます。
•前田健太はメジャー年金満額もらえるの?
•前田健太はいくらメジャー年金もらえる?
•メジャーリーグの年金制度の仕組みと受給資格
•年金をもらっている日本人選手
前田健太はメジャー年金満額もらえるの?
【 #タイガース 】#前田健太 投手のメジャー10年目の生活が始まります🐯#日本人選手情報 pic.twitter.com/4liTaHHYXo
— MLB Japan (@MLBJapan) February 22, 2025
戦力外通告を受けた前田健太投手は、もしこのままメジャーで他のチームからのオファーがなければ、メジャー年金を「満額」受け取ることはできません。
メジャー年金を満額受け取るためには、「メジャー登録日数」在籍が10年以上という規定があります。
今年10年目を迎える前田健太投手は、在籍10年を満たしていませんので「満額」を受け取ることはできませんが、メジャー年金には在籍年数に応じて受給額がかわるしくみがあります。
前田健太投手は現状だと、いくらくらい受給することができるのでしょうか?
前田健太はいくらメジャー年金もらえる?
前田健太投手は、マイナーリーグに在籍した期間を考えると、おそらく8年在籍金額の前後が受給金額となり、およそ約2400万円前後になるとおもわれますが、確定情報ではありません。
今年でメジャー10年目となりますが、この期間で何度かマイナーリーグに在籍した期間があります。
2016年~2019年のロサンゼルス・ドジャース時代に肩などの故障や40人枠を外れ、また、2021年ミネソタ・ツインズ時代にはトミージョン手術を受けマイナーリーグに降格の報道がありました。
その後の、デトロイト・タイガース時代の詳細は不明ですが、前田健太投手がメジャーで残した成績を考えるとマイナーリーグに在籍していた期間があるのではないでしょうか。
メジャーリーグの年金制度とは?
メジャーリーグの年金制度とは、MLBに在籍した選手や監督、コーチなどが引退後受け取れる「生涯年金」のことです。
メジャーリーグの選手は、現役時代に一定の条件を満たした場合だと満額受給することができ、62歳から生涯、例えば毎年約21万ドル・約3000万円(レート等により変動)の年金を受け取ることが出来ます。
支払い方法は12分割ですので、毎月約250万円の金額を受け取ることになります。
平たく言うと、「62歳になると働かなくても毎月約250万円が振り込まれている」という
一般人からすると夢のような老後が待っているといえますね。
メジャー年金の受給資格は?
メジャー年金を受給する資格には、いくつかの規定があります。
•受給資格を得る……メジャー登録が最低在籍日数43日以上
〈アクティブロースター(試合に出場できる選手25~26人登録)又故障者リストも含む〉
•満額支給条件……10年以上在籍(毎年172日以上のメジャー登録で1年と計算)
•受給開始年齢……最短45歳から減額で受給でき、満額受給は62歳から
•支給期間……生涯受給
引退後に年金を受給するためには、メジャーに最低5年在籍していることが条件となります。
「在籍」とは、172日以上のメジャー登録で1年とカウントすることで、仮にDL(故障者リスト)に入っていても、「メジャーにいた」と見なされ日数にカウントされます。
メジャー在籍5年目から在籍年数によって段階的に受給額が変わり、10年在籍で満額受給できます。
マイナーリーグ選手にも年金制度はあるの?
アメリカの野球選手が全員メジャー年金を受け取れるわけではなく、マイナーリーグの選手に年金制度はありません。
そこには、“ハンバーガーリーグ”と呼ばれるマイナーリーグと、世界の最高峰・メジャーリーグの間に厳然たる大きな壁が存在しています。
メジャーリーグでは、1チームの登録人数は40名です。
マイナーリーグでどれだけ長い年数プレーして苦労を重ねたとしても、メジャーリーグに上がれなければ年金の受給資格を得ることは出来ません。
メジャーリーグ関連の記事によると、マイナー時代は「シーズンオフに工事現場で働いていた」
「家業を手伝っていた」「将来を見据えて大学で資格の勉強をした」などのエピソードを目にします。
メジャー在籍年数によってメジャー年金受給金額の違いは?
メジャーに5年以上在籍で受給資格が発生し、10年以上在籍することによって満額受給できるメジャー年金は、在籍年数によって受給金額に違いがあります。
5 年在籍…… 満額の50%(約1500万円)
6 年在籍…… 満額の60%(約1800万円)
7 年在籍…… 満額の70%(約2100万円)
8 年在籍…… 満額の80%(約2400万円)
9 年在籍…… 満額の90%(約2700万円)
10年在籍……満額の100%(約3000万円)
実際の支給額は172日在籍で1年とカウントする他に、172日÷4=43日を1クオーターとして、2.5%ずつ積みあがる計算になります(4クオーターで1年と換算します)。
例:5年150日在籍の場合
5年(50%)+150日÷43日=3クオーター(7.5%)
3000万円×57.5%=1725万円
メジャー年金を満額受給できる日本人選手は?
この夢のようなメジャーの年金を満額受給できる日本人選手はわずか5名です。
1964年(昭和39年)の“マッシ―”村上雅則投手をパイオニアとする初の日本人メジャーリーガーから
野茂英雄投手、菅野智之投手まで計72名の日本人メジャーリーガーが誕生しています。
その中で、メジャーに10年以上在籍して年金を満額受給資格を有している日本人選手は
◎野茂英雄:12年在籍(ドジャース、レッドソックスなど)
通算123勝109敗 1995年新人王 ノーヒットノーラン2度達成
◎イチロー:19年在籍(マリナーズ、ヤンキースなど)
通算3,089安打 打率.311 2001年新人王 MVP 2004年メジャー新記録の年間安打262本
◎松井秀喜:10年在籍(ヤンキース)
通算175本塁打 2009年アジア人初のワールドシリーズMVP
◎大家友和:10年在籍(レッドソックス、ナショナルズなど)
NPBでは通算8勝でしたがMLBでは通算51勝
◎ダルビッシュ有:12年在籍中(レンジャーズ、ドジャースなど、現在パドレス)
2021年メジャー通算1500奪三振達成(最速)2024年日米通算200勝達成など現在進行中
メジャー年金を満額ではないが受給できる日本人選手は?
メジャー年金を、満額ではありませんが以下の6名が年金を受給する資格を有しています。
◎90%/長谷川滋利(エンゼルス)上原浩治(レッドソックス)田澤純一(レッドソックス)
◎80%/松坂大輔(レッドソックス)
◎70%/黒田博樹(ドジャース)松井稼頭央(メッツ)
72名の日本人メジャーリーガーが誕生しましたが、メジャー年金受給資格を得る5年を、メジャーで活躍するのは厳しいことなのですね。
まとめ
メジャーリーグには、MLBに在籍した選手や監督、コーチなどが引退後受け取れる「生涯年金」のメジャー年金があります。
メジャーに5年在籍することで受給資格を得ることができ、10年在籍で満額受給することができます。
満額が3000万円の場合12分割の支払いのため、毎月約250万円の金額を受け取ることができます。
現在10年目を迎える前田健太投手は、このままオファーがなければ、満額規定の10年在籍にはあてはまりませんので、満額受給はできません。
マイナーリーグに在籍していた期間は明確にわかりませんが、8年在籍金額の前後が受給金額となり約2400万円前後を受給できるとおもわれますが、確定情報ではありません。
満額受給できた日本人選手は、野茂英雄さん、イチローさん、松井秀喜さん、大家友和さんそして現在もメジャーで活躍中のダルビッシュ有投手の5人です。
以前は日本のプロ野球界にもあった年金制度が復活するといいですね。
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